(2022 1013)



*[音楽]Spandau Ballet Best5



スパンダー・バレエの活動時期は、3つに大別出来ます。

ポスト・パンクの混沌期を反映した粗削りな「Journeys To Glory」「Diamond」、
飛躍的に完成度を高めて大ヒットした「True」「Parade」、
レーベル移籍後勢いの落ちた「Through The Barricades」「Heart Like A Sky」。



① Always In The Back Of My Mind

「Parade」の曲構成のピークに置かれている。
波止場を駆け下る疾走感、コンガとサックスが作りだす情熱、
ニュー・ロマンティックという形容詞に最も相応しい一曲。


② Foundation

「True」の中核に位置する曲。
疾走感に溢れ、コーラスやサックスなど全てがタイトに決まっている。


③ Be Free With Your Love
Be Free With Youe Love (Extended Dance Mix)

バラードから入って後半派手なラテンパーカッションが全開になる
曲構成が、当時は斬新だった。

12インチ盤は冒頭から大胆に、
当時最先端だったハウスサウンドが導入されている。
ダブも含めて構成が見事で、今でも通用する出来。
現在、楽曲を入手する手段が無いのが残念。


④ Swept

先祖返りしたようなシンセ使いが光る名曲。
タイトさは無いが、深みや完成度は随一。
特に、間奏の展開、前半のジェット気流のようなエフェクトからの後半の解放感が良い。
4th迄ならコーラスを充てていたパートに、分厚いストリングスが使われている。


⑤ Only When You Leave (ふたりの絆)

地味ながら聴かせるミドルテンポの名曲。
延々と続いて行きそうな、切なくやるせない雰囲気が唯一無二で素晴らしい。
が、当時要求されていたヒット曲タイプの曲では無かった。






「Journeys To Glory」
「Diamond」
改めて振り返ると、作風は、Blue Ronde A La TurkやHaircut 100といった、
ファンカラティーナに近いと思う。ボーカルも陰鬱な印象がある。


Coffee Club
典型的なファンカラティーナ。


She Loved Like Diamond
70年代の残滓を纏った初期の名曲。
愁いを帯びた儚い美しさは、
Joy Divisionに通じるものがある。



「True」
前作までから一転、新時代のAORは歴史に残る名盤になった。
彼らの作品中唯一、オーディオ機器の音質チェックにも耐え得る出来だと思う。


Pleasure
鮮烈なイントロ、劇的に高まった完成度、
お手本のような構成、この曲自体が新時代のイントロになっている。


Communication
このキャッチーな曲はシングルとしてはあまり目立たなかったが、
日本のTVCMで一時期使われていた。
私がスパンダー・バレエで最初に気に入った曲でもある。


Gold
昔はあまり聴かなかったが、最近繰り返していたら、カッコよく思えて来た。
イントロから最後まで全てがハードでエッジが効いていて渋い。


True
最大のヒット曲。バラードはあまり好きではないが、
これは別格で何度も聴き返せる。



「Parade」
トータルなクオリティでは前作を同等だと思うが、
売上で上を見過ぎた悲運のアルバム。


Nature Of The Beast
ここから3曲、彼らの作品中最もダンサブルな曲が並んでいる。
イントロが邪魔かもしれない。


Revenge For Love
頭の中でサビが取り返されていることが良くある。
最後のエピローグ的にピアノも良い。次の曲に繋がっている。


With The Pride
昔は全く聴かなかったが、最近良く聞くようになった。
この曲も全編カッコいいの一言に尽きる。



「Through The Barricades」
レコード会社を移籍して、音色の構成が下品になった。
曲の出来は悪くないが。


Man In Chains
魂の叫びという感じの曲。



「Heart Like A Sky」
未だリマスター盤が出ていない、最後のオリジナルアルバム。


Crashed Into Love
秋の空のような開放感のある曲。何か吹っ切れた感じ。


Big Feeling
ファンキーな力強さとスマートさが同居している。鮮烈なコーラスワークが良い。


Windy Town
CMに使われていそうなぐらいキャッチーなイントロを持つ名曲。
ボーカル曲としての完成時が非常に高い。
終盤のコーラスからピアノの使い方は圧巻。



「Once More」

昔買って一回聴いて、駄目だと思って放置していたリユニオンアルバム。
今回聞き直して、このリメイクは正しかったと思い直した。