『なもり画集 ゆるなもり』さすが一迅社、馬鹿丸出しの装丁(褒め言葉)


先ず、魚介類の入ったダンボール箱をイメージしたカバーデザインに呆れ圧倒される。
本の表紙は、子供向けの学習書「○○のひみつ」を真似たものになっている。
内容も、只の画集では無く、随所にネタが詰め込まれている。
各ページの余白にコメントや簡単なイラストが付いていて、他の画集より面白い。
大体あのページ表示は何のつもりなのか。


馬鹿な装丁や記事にコストや労力をかけて一ヶ月延期する、といったことは、普通の出版社ならしません。
ただイラストを並べて巻末にコメントを付けただけの画集を作れば、延期無しで出せたでしょう。
だが、そんな平凡な代物では、記憶に残らない。

現物を見れば分かりますが、これなら納得の延期、読み応えは抜群です。
3800円と、大きさの割にやや高額に思えるかもしれないが、それだけの価値は十分ある。


ゆるゆり』のプロジェクトは、他のアニメ作品と決定的な違いがあります。
喩えで言えば、他作が高速道路を法定速度内で走っているとしたら、
ゆるゆりは、路肩ぎりぎりの場所を全力で片輪走行しているようなものです。
かつてのログインのような、攻めの姿勢がある。それも一社だけでは無く、関係者の多くが、そうなっている。
伝染しているのかもしれません。


相変わらず誤字があるのも一迅社の個性です。
(91p「寒さを理用して(原文ママ)」)



肝心の絵については、印刷が高精細で、細い線も綺麗に出ています。
ゆるゆり』が大部分です、『ゆりゆり』など他の絵柄も入っている。
特典やグッズに流用された絵など、氏のカラーイラストのほぼ全てが収められている。