アイドル論――アイドルとは「承認欲求」の産物。


アイドルとは、年頃になった女子の多くが抱く「ちやほやされたい」という「アイドル願望」が元になって、
その「承認欲求=自己顕示欲」と、男性客の性欲とを同時に満足させる為に考案され発達した、
日本特有のビジネス形式です。
(男性アイドルについては、在り方が若干違うので、ここでは割愛します)

特に最近は、アニメコンテンツとの相性が良いので、
アニメとアイドル声優と音楽とイベント、グッズ販売などを連動させたスタイルが主流になっています。



アイドルとアニメに共通した最も重要な要素は、「新鮮度」です。
新鮮さが命である。新鮮さを売る商売である、ということです。


現在のアニメは、初出時(1期)が最も勢いがあり、その後は「右肩」して市場が小さくなっていく。
キャラクターが時間と共に消費されて古びていくので、シュリンクは避けられません。


アイドルも同じで、
ごく一握りのアイドルは、大企業連合の神輿になって、間断無い宣伝によって
長期間メディアに露出して、全国的な大衆に印象付け、
「集まって盛り上がること=祭り」を求めている人々の捌け口の対象になることで
利益を生み続けるマシーンになりますが、
殆どの人は若いうちに消費され消えて行きます。
(或いは並外れた愛嬌があれば、細く長く愛されることもあります)


ですから通常アイドル声優は、
「初めてのコンサートのステージ上で新人声優が嬉し涙を流す場面」が最高潮のピークで、
物語的にはそこで終わりです。

その後に続く商売は蛇足でしか無く、
完全に死に絶えるまで延々と続けられる単純作業に過ぎない。


「初めて」を越えるパフォーマンスは、どこにも無いのです。
ですから「声優処女」を扱うアニメ関係者はそれなりに慎重になるだろうし、
声優の側もそうでなくてはならない。
(これは声優に限らず、初めてアニメ化される原作者、初監督、
初めて大きな仕事を任される関係者などにも同じことが言えるでしょう)


「ワキガ」は、基本的には「センチメンタルグラフティ」の流れを汲む初物商法を主軸にしています。
もっとも、作品情報の事前公開が早かった為、初出から1年以上過ぎた現在、
既に陳腐化しているようにも思えます。