小林よしのりの珍説「神武天皇の起源はアフリカの類人猿」

(月刊WiLL 2011年3月号より)

これは、かなり惜しい説だと思います。

やや暴論ですが、私は、皇統の起源は、日本の類人猿であると考えています。
類人猿が人に進化し、長い時間をかけて、社会を形成し、言葉を覚え、文字を発明する。
その膨大な期間に蓄積された「人類の知恵」を国体として続いている世界で唯一の国が日本です。

何故小林氏は、他国であるアフリカまで遡ってしまったのでしょうか。
エジプト文明の時代はともかく、アフリカには先進国は無く、
西洋列強に綺麗な国境線を引かれた万年弱小集団です。
現代に生きている唯一の神話立国、
情緒あふれる神話的な精神文化と高度な先進国文明を綯い合わせることの出来た
唯一の国が日本なのですから、
「日本の類人猿」あたりで区切りをつけておくべきでしょう。

日本では、人が死んだら神になる。
日本における神の概念は、一神教の絶対的な神とは違います。
常にそれを念頭に置けば、誤った解釈に走ることは無いはずです。


では、日本とアフリカの類人猿では、何がどう違うのか?
これは、地政学的な見地による分析が必要です。

我々保守派は、倉前盛通氏の地政学的な分析を、
軍事外交以外の全分野に広げていくべき時期が来たのではないでしょうか。