ゼノブレイドvsラストストーリー

※このエントリーはネタバレを含みます。


やはり全体的には、

ゼノブレ>ラススト

という印象です。


シナリオ、キャラクター、企画は
ラススト>ゼノブレ

システム、グラフィック、ボリューム、お買い得度などは
ゼノブレ>ラススト


でしょうか。

モノリス高橋哲哉氏の企画
エヴァナデシコ等に影響を受けた、90年代のオタク的なうんちく芝居)
に加えて、高橋氏の嫁さんがフェミニズム的な悪さをしていることが、
企画・キャラクター・シナリオのボトルネックになっているようです。

一方坂口氏は、ややヘタレた部分があるものの、
世代の違いからか、ジェンダー的には高橋陣営より「まとも」です。


だがしかし、それ以外の部分で差が付き過ぎました。

CGやイベントシーン等では、モノリスの「ハード性能に関係無いデザインセンス」を見せつけられました。
単純にハードをHDにしたとしても、デザインセンスのあるチームを育成出来ない限り、
ゼノブレイドを大きく超える作品を作ることは難しいでしょう。
一方ラスストは、平凡なファンタジー風の作画ですが、普通に細かいテクスチャが逆に災いしたのか、
比べると画面がやや見づらく、ロード時間も多めです。

ラスストのアクション性の強い戦闘は、爽快感があるようにも思えますが、処理落ちも酷い。
あと、カメラを右に回し続けていると、突然止まって、それ以上カメラが右に動かせなくなる、
という現象が何度かありました。
カメラワークも悪く、しばしば視点がめちゃめちゃになるので、アクション性の強いゲームとしては
不味いのではないでしょうか。

また、ゲーム自体が完全な一本道である上に、後戻り(世界巡り)やレベル上げ等も自由に出来ない。
各ダンジョンには、レベル上げルームとも言うべき場所が存在し、
経験値稼ぎは、ほぼその場所に限られます。レベルの上限は厳しく制限されています。

ただし、ボス戦はゼルダに近い「アクションパズル」で、
ゼルダほど難易度が高くないものの、やや難しい操作が要求され、攻略法や手順が決まっており、
レベル上げによる力押しの強行突破が出来ない仕様になっています。
初心者には敷居が高く、昔のFFのイメージで手を出したカムバック層には、手痛い打撃になるでしょう。
でもラスボスのクォークは、あまり強く感じられず、イカなどの他の中ボスの方が強く感じられました。
特に面倒なのは貴族の館で、敵の動きが速過ぎることもあって、2度とやる気になれません。


尤もラスストは、初回特典が豪華で、
店によってはテレカが特典に付く、という状況だったので、
任天堂や販売店としてはギャルゲー並の扱いをしている、
つまりゲームとしては出来が悪い、
という「事前予告」が行われていた、とも言えます。


両者とも売上げは似たようなものですが、これは
「年を取った過去の開発者」に「若い頃作ったミリオンタイトルの再現」
を求めるという、MSあるいは任天堂の誤った経営判断が原因なので、
今後も、こうした囲い込みは、15万人前後の「通人」向けに細々と、
割り切って続けて行って欲しいと思います。


画像1

なお、今日現在で、ラストストーリーはクリアしていますが、
ゼノブレイドは、まだまだ終わっていません。



岩田「坂口さん……わかってますよね?」
http://www.nintendo.co.jp/wii/interview/slsjsx4j/vol1/index.html