今期は、震災直後の混乱を踏まえて、
クリエイターが「何を作ったらいいか分からない」状況に置かれた、と言われています。
こういう時に最も必要な作品は、以下のようなものです。
・明るく楽しいもの。
・中身が薄くても良いから、分かりやすく、より多くの人に楽しめるもの。
・特定の層や人(例えば日本人男性)を、馬鹿にしたり卑下したりしないもの。
人は、苦境に陥ると、明るく楽しい作品が作れなくなります。
ですから、震災前に書かれた原作のストックに頼らざるを得ない。
日本国では、現在四半期ごとに20本前後ものアニメが新規に作られています。
その日本の底力、懐の深さが幸いして、「中身が無くても明るく楽しい作品」は、
常に複数のが放映されています。
今求められているのは斜に構えたインテリではなく、単純明快な明るい作品であると、
私は信じて疑いません。
「ゆるゆり」はOPとEDの出来が素晴らしい。一度見たら病み付きになりました。
キャッチフレーズ「笑われればいいと思うよ」も、素晴らしい。
内容も、作り手が楽しんでいるような乗りの良さがあります。
キャラクターの年齢を、中学1、2年と低めに設定したことも絶妙で、
作品から性的な後ろ暗さを無くすことに成功しています。
(全年齢向けのTVアニメで非処女の描写に拘った某監督とは正反対です)
「あんな頃もあったよね」と自然に思えるので、男女問わず楽しめると思います。
「猫神やおよろず」は、元祖秋葉系の桜井弘明氏の手腕が随所に見られます。
(私が好きなアニメ監督を一人挙げるとしたら、桜井氏になります)
まったり気味で萌えもエロもありませんが、安心して見られる安定性があります。
作中にセガハードが出てくるといった「こだわり」も見られます。
アニメはゲームと違い「システム地雷」が無いので、
何を見ても30分できっちり終わり、よほどのことが無い限り、ある程度楽しめるところが利点です。
問題は、こうした素晴らしいアニメ作品の全てが、
ソニーやPSの市場の強化に貢献してしまっていることです。
任天堂は、アニメとその周辺産業による相乗的な広告効果を、もっと考察して活用しなければなりません。
TVアニメはそれ自体が、週間30分近い巨大なTVCMでもあるのです。
15秒のスポットCMに換算すると、大体100本分近くになります。