『ゆるゆり なちゅやちゅみ!』総括

今回は、「女子力」以外のネタバレも、出来るだけ書いています。



前回の補足修正から。



☆作画


●「カメラを引いた場面」の一部で、キャラクターの顔のパーツが崩れている。

本作はOVAなので、必然的に、作画への注文はTV版より厳しくなります。

また、劇場の大画面は感動度が増える反面、細部の粗が目立ちます。
バルト9のシアター9ではっきり見えた粗は、シアター1ではあまり見えなくなり、
シネマサンシャインのシアター6だと、注意深く見ないと気付かない。

大体の部分では問題無いものの、中盤以降、電車を降りたあたりから、数箇所で崩れていました。

TV放送だったら、その部分の画像が貼り付けられ、作画崩壊と叩かれたでしょう。
後で修正をかければ何とかなるレベルですが、
「敢えて目を描かない」「カメラアングルを後姿にして誤魔化す」といった手抜きも考えられます。


●キャラクターの肉体の質感が薄い

今回のキャラデザでは全般的に、向日葵以外は全員「つるぺた」に見えてしまっている。
結衣と綾乃まで、まっ平らになってしまった。

しかし入浴シーンでは、全裸のあかりが転んだ時に「横乳」をはっきり見せています。
あかりに胸のふくらみがあったこと自体意外ですが、
それが今回唯一のサービスシーンなので、
向日葵や結衣を前面に出さず肉体の描画がおざなりだった入浴シーンも「期待外れ」でした。



☆内容


○アバンの入り方がいい。

「日常系の客」に許容されるギリギリの範囲での「おふざけ」を目指しているように見えました。
メインキャラとは関係の無い場所で「爆発」を描いたことも、そうした配慮の一環なのでしょうか。


○オープニング

背景が簡素な場面があり、全体的に少し地味な感じ。
1期の再現を目指したようで、もちろん2期より良くなりましたが、伝説級の1期には少し及ばないか。


○冒頭に「ちなつのおもらしネタ」(原作10巻62)を配置

今期既に『テラフォ』『クロスアンジュ』『グリザイア』と3本も出現、先月ソニーも盛大に行った「おもらしネタ」。
今なら某社の加湿器を連想させます(↓参考画像)
https://twitter.com/idiot02/status/545459562384351232/photo/1
原作でも最強クラスのネタをテンポ良く展開。ここが本作のピークといっても過言ではありません。
但し、ちなつの泣き顔は、原作の方が可愛かった。枕で隠す演出は失敗でした。


○全体の印象は「1期12話」への意趣返しのようにも見える。


●キャンプ周りになると質が落ちる。

後半は笑えるネタが減り、御当地商法用BGV成分が増えて、内容が薄くなっています。



☆原作からの主なネタ


10巻62「ちなつのおもらし」

11巻72「水着にビーサン

11巻75「千歳×あかり」



☆キャラクター


○櫻子は、前作に引き続き、一番扱いが良い。
作画が良く見せ場も多い。


●逆に、見せ場が少ないのは結衣。
結衣の見せ場は、電車に乗った直後だけ。
京子と抱き合う場面は、カメラが引き気味で、作劇も作画も気が抜けた感じ。


○千歳の描写には、原作同様かなり注意が払われている。
嫌味な鼻血描写は、最小限に抑えられている。


○「綾乃の出番が多過ぎるように見える」問題について

?一般論として、あまり好きでは無いキャラの出番は、少なくても多く見える。

?千歳の妄想が2回出てくることもあって、京綾の場面が多い。

?綾乃は、生徒会組のリーダー的存在で、
唯一2年生組全員との絡みが成立する。
ごらく部+生徒会組の8キャラで話を動かす場合、中心に来ることは必然と言える。

?綾乃は、全キャラクターの中で唯一「メスの顔」をするキャラクターである。
「恋をしている」描写が一番多いので、視聴者の印象に残り易いのではないか。
多分本作も、綾乃の原画は半分以上が「メスの顔」と思われる。



カップリング


前作で多かった結京は抑制され、その代わりに「ひまさく」推しが強くなった。
その煽りを受けて原作11巻72「水着にビーサン」にあった「あかり×櫻子」がカットされた。
(OVAでは、向日葵が櫻子と一緒に来る形に改変)
以前から多かった「京綾」が更に増えて、結衣の存在が薄くなった。

また、肝試しでの「結衣×千歳」や、翌朝の「あかり×綾乃」など、
より多くの組み合わせを、さり気なく出している。
ここでも横手氏のキャラ捌きのノウハウが生きている。



☆声優


アバンでは、大久保瑠美さんと大坪由佳さんが、洋画風のアダルトな声色を使っている。
特にアバンから冒頭にかけては、大久保さんのソロパートとも言うべき独壇場。

後半の聴き所は、
藤田咲さんのこぶしの入った台詞「ほんとになんの話してたの?」
カレーを食べている時の「ひまさく」のやり取り。
加藤英美里さんと三森すずこさんの持ち味が良く出た、火花を散らすような場面。



☆音


○バルト9の設備は素晴らしい。

「非日常の場所」としての快適な空間は、何も無くても訪れてみたくなる程です。
ここにしか無い展示物などもあります。


シネマサンシャインでは、残念ながら、作品の魅力を100%体験出来ない。

バルト9に勝っている所は、飲食物が安いことぐらいか。
老朽化した設備では致し方ありませんが、既に3年後の移転、新装開店が決まっています。
その時には今のバルト9を超える感動度を提供することでしょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ09HFG_Z01C14A2TI0000/
http://ameblo.jp/addicto/entry-11963496904.html



☆その他


劇場パンフレットの裏表紙で、結衣とちなつが手を繋いでいる。

あかりの携帯がスマホ。ともこの携帯がiPhone

シーソーネタは、つまらない。



☆最終結


(TV版でも大体同じ傾向でしたが)
本作の最大の見所は、頻出する綾乃の「メスの顔」です。
今回は、キスシーンは無いものの、「虚ろ目」などもあります。
綾乃の「メスの顔」が好きな人なら、大満足の出来でしょう。


(参考画像:最近スマホの待ち受けに常用)



「あと、あかりのはみ乳」