都議会自民党壊滅の原因は「日本会議」かもしれない。

敗因①「日本会議の拙速な改憲運動が、メディアと反日勢力の大同団結と猛反撃を招いた」
敗因②「除名問題で安倍自民に決断力が無かった」
敗因③「テロ等対策法案の成立を優先して、森友・加計問題への対応が不十分になった」
敗因④「『内田茂問題』の釈明が皆無」



敗因①「日本会議の拙速な改憲運動が、メディアと反日勢力の大同団結と猛反撃を招いた」

2012年に自民党が300議席を得た直後あたりから、日本会議の活動が大きく変化しました。
憲法改正ほぼ一色になったのです。

日本会議を中心とする各保守団体が、憲法改正運動に多くの経営資源を振り向け、
安倍政権に憲法改正への決断を促したであろうことは、ほぼ確実です。

間接的には、学生運動以来の保守運動の指導者達の寿命が近づき、焦りもあるのでは、と思います。
(特に、大学教授や弁護士の頭数の減少は、致命的です)

当初は改憲に消極的だった安倍総理も、昨年の参院選で衆参3分の2の議席を得、また、
新聞の世論調査改憲容認派が初めて5割を超えたこともあって、改憲に大きく舵を切りました。


しかし、同時に、これが、それまでバラバラだった左派勢力の危機感に火をつけ、
小池という「右翼を騙す為の軽い神輿」の下に集まって、大同団結の形になった。

そして、「戦争法と共謀罪に続いて憲法改悪を目論む『アベ』」を倒す為に
創価民進・ネット・共産≒しばき隊、労組、マスコミ(←創価の影響大)などが、総力を挙げた。


資金力で大きく勝る護憲派がフル稼働した結果、
全メディアによる「小池上げ・自民叩き」の飽和攻撃が、間断無く続けられています。

これに対応出来るだけの戦力は、保守陣営には、全くありませんでした。
「保守陣営の資金力が、左派に比べ遥かに弱い(1000:1とも言われる)」
という事実を忘れて、拙速な改憲に走ってしまった……ということになります。


8年前と今回の違いは、学会票と学会の経営資源が、「面従腹背」で敵に回っていることです。
このまま総選挙に突入したら、2009年以上の悪夢が再現され、
自民党は確実に議席を減らし、改憲は永遠に不可能になるでしょう。
既に全国の選挙民が、全国ネットのTV番組で、都民に近い洗脳状態になっています。そう見るべきです。


豊田真由子氏の件と下村博文氏への冤罪は、何ヶ月も前から予め仕込んでおいて、今のタイミングで流した。
稲田朋美氏の件は、敵側の仕込みでは無く、完全な自滅。
このままだと稲田氏は、改憲阻止の功労者の一人として、歴史に名を残します。


議員や政党関係者は、何があろうと、TV等のメディアを悪し様に言ってはいけません。絶対に勝てません。

最低限、地上波放送局を2局、保守系経営陣が完全に仕切れるぐらいのパワーバランスを築けなければ、
テレビ信仰の強い現代の日本では、改憲活動は極めて難しいでしょう。
(インターネットの伝達力は微弱な上に、ネット上でもマスコミ大企業は優勢です)






敗因②「除名問題で安倍自民に決断力が無かったから」

「離反者を即座に除名する決断力が、自民党には無い」という風に、部外者からは見えました。


左翼が反安倍で大同団結する一方、
自民≒保守は、内部分裂した半端な状態で戦闘に突入しました。
「保守寄せパンダ」の小池に目を眩まされている年配男性層が多数いる上に、
自民が党規違反者への除名を「一律で」「素早く」行えなかった。

小池の人気にビビってモタモタモタモタとしているから、今や自民党の党規は、ゴミクズ同然になりました。
守る価値が全く無くなった。
大物・人気者の反党行為は無罪で、小物の中にはスパッと除名された人もいる、という、
基準がデタラメな「法の運用」を行った。


たとえ、いっとき血を流してでも、それ以上の延焼を防ぐ、という、基本的な政治決断が出来なかったから、
「優柔不断な戦闘指揮官」である安倍晋三氏と下村博文氏は、味方を大量に犠牲にしてしまったのです。

このまま離反者を「全員永久除名」に出来なかったら、
次に落選するのは、安倍総理周辺の日本会議系議員全員です。

昨年の都知事選以来、安倍自民党には、戦う姿勢が全く無かった。終始カッコ悪く見えた。
今回犠牲になった都議の方々も、(生き残った若い川松都議以外は)
決断が遅い人ばかりだったようですが、これでは浮かばれません。






敗因③「テロ等対策法案の成立を優先して、森友問題・加計問題への対応が、不十分になった」

野党とマスコミの時間稼ぎ作戦に対処するには、どちらかを捨てるしかありませんでした。
法案成立を優先した結果、説明が不十分なまま選挙に突入し、犠牲者の増加に繋がりました。






敗因④「『内田茂問題』の説明が皆無。内田氏その他による釈明が無かったから、多数の落選者が出た」

特に、「保守分裂による共倒れ」を招いたことのある選挙区では、
現状の候補者選定のシステムに不満を持つ関係者は、多いと思われます。
全国の有権者の中には、未だに「内田茂=悪の黒幕」説を信じている人が、大多数を占めています。
内田氏や関係者は、今からでも徹底的に釈明すべきです。さもなければ、自民は国政でも壊滅します。






もし、私が総理の立場にあれば、それでも、このまま改憲に向かって突っ走るでしょう。
今の枠組みの中で可決して、国民投票にかける。
改憲の成否に関わらず総選挙で自民は壊滅し、総裁は、路頭に迷った多くの落選者に恨まれることになります。
が、たとえ総選挙で壊滅したとしても、とにかく1度は変えなければいけません。
今の枠組みの中で来年までの改憲に失敗すれば、我が国がそのまま滅亡する可能性さえ出て来ます。


ですが、昨年の中西輝政先生の論文(『歴史通』5月号)によると、
安倍総理自身は、憲法改正に決死の覚悟や絶対的な熱意を持っている訳では無いので、
今回はこれで終わりかもしれません。
そして、他人に「死ぬ気でやれ」などと強要することは、誰にも許されないのです。

最後に、個人的には、憲法改正運動に関わっている人間の端くれとして、
今回落選された方々に対して、申し訳無い、という思いを持っています。