「バンダイナムコのアニメはテンポが悪い」

(2024 0705)


*[アニメ]前期アニメ『まどめ』『天使つき』『Lv2チート』『変サラ』ほか


期待していた『第七王子』がやや期待外れだったこともあって、
総合的に頭一つ抜けた作品はありませんでした。
そういう時にはヒロインキャラの出来が物を言ってきます。



①『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』

最近ありがちな不殺物。
家庭的な奴隷エルフ「ネフェリア」を筆頭に、ヒロイン達の出来が良い。
メイン2人が暗い過去を克服して行く所や、
自然な形で(百合ではない)女の友情が形成されるのも良い。
人間ドラマがバランス良く描かれていて、前期では一番の出来かも知れない。



②『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』

内容は薄く平坦だが、家庭的な天使「とわ」を筆頭に、
ヒロインキャラの出来が良い。
雪女と幼馴染までは甲乙つけがたい。
百合では無い自然な女友達感が描かれた
エンディングの映像とサンドリオンの曲も素晴らしい。
こういう、青春の美味しいところを凝縮したラブコメには、
普遍的な需要があると思う。



③『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』

最近ありがちな不殺物。
ゼロの使い魔のベテラン声優が集結。安定して面白かった。
ヒロインキャラがいまひとつだったのが玉に瑕。
あの中では女騎士が一番良かったか。
opとed曲が両方とも出来が良く、
凋落気味のポニキャンが久し振りに存在感を見せた。



④『変人のサラダボウル』

はがない原作者の新作、地味だが安定している。
王女側の話はつまらないが、女騎士側の話が最高に面白かった。
キャストオフ可能な人形を今作ったら売れると思う。
リヴィアのような馬鹿丸出しで面白いキャラが
出てくる作品には、最上の価値がある。
ホームレスからキャバクラ、宗教、パチンコとタブーを踏んで、
最後に逮捕落ちも見事に決まった。
前期一のロックアニメ。






月曜深夜



『月が導く異世界道中 第二幕』

俺TUEEE系なろう小説の起源が時代劇であことを教えてくれる作品。
安定しているが、延々と消化ゲームを続けているようにも見える。
高校生の未熟な主人公が大人の社会で揉まれて
苦労するもどかしさも描かれている。
あと、先輩キャラの女体が良かった。



『週末トレインどこへいく?』

有名ベテランスタッフが集結し、
キャラデザnamo氏ということで期待していたが、
視聴時間が取れず半分未見で終わった。



『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』

序盤はかわかわショタ主人公の無双と、ヒロインキャラ達の肉感も良く、
最高に近いスタートだったが、中盤から失速。
敵がインフレし爽快感が低下。原作ではその後も苦戦の連続になる。

また、無意味で余計な台詞回し等を加えて物語を薄めて引き延ばしている。
TVアニメの尺に合わせて内容を薄めて引き延ばす、
バンダイ系列に共通した悪癖と言える。



『出来損ないと呼ばれた元英雄は、
実家から追放されたので好き勝手に生きることにした』

蒼井翔太演じる転生元勇者が素晴らしい出来損ない。
ヒロインは出来が良いが、作画がほぼ全編出来損ない。
原作は冗長で読みにくい出来損ないだが、
なろう縦読みモードで1600頁強と短く綺麗に完結していて読みやすい。



火曜深夜



『Unnamed Memory』

オスカー様がカッコいいアニメ。
ヒロインは大したことないが、
最後は王子にメロメロになっている所は良い。
原作を端折って速い展開をしたらしく脚本家が叩かれていたが、
最後まで見ると納得が行く。
ループ物なので受け手のストレスを減らすには早回しが必要だった。



水曜深夜



『声優ラジオのウラオモテ』

絵柄がしょぼいのと内容が意識高い系
女権寄りお仕事アニメなので、男性向けでは無い。
どうでもいい要素を無理に権威化して力を入れている、
総じて作り手側のエゴが見える。
そんなものを視聴者は求めていない。



バーテンダー 神のグラス』

寺島拓篤演じる主人公がカッコいいバーアニメ。
随所にサントリー製品が出て来る。聖地として山崎醸造所が出て来る。
今となっては山崎も響も常時品薄のプレミア物となってしまった。



『喧嘩独学』

喧嘩の動画を配信して金儲けと言うのは安直過ぎた。
こうした、精神チンピラの男性が好むタイプの作品の架空日本は、
何故か治安が悪い。



木曜深夜



『Re:Monster』

転スラに近い作りの、古いタイプの作品。
完全な俺TUEEE系ハーレム物だがヒロインの数が多過ぎて
キャラの掘り下げが無く魅力が薄く、
話題にもなっていないので叩かれていない。
あと、稲垣隆行監督のクレジットが片仮名だったのが気になった。



金曜深夜



『アストロノオト』

有名なロートルクリエイターが集結。
最初から最後までベタな話なので、期待しなければ凡作。
何となく最後まで見てしまった。



転生したらスライムだった件 第3期』

相変らずのノロノロ展開。
今期はワルプルギスの事後処理から始まって七賢の全滅で終わる。
帝国のキャラも少し出て来るが先は長い。
会議(笑)や台詞回しが冗長過ぎて高速再生してもだるい。
2クール目ではVRダンジョンや闘技場もノロノロと描くのだろうか。



『ガールズバンドクライ』

東映アニメーションの全編CGアニメ、
手描きより崩れないので遂に転換期が来たかという感じ。
脚本と監督がラブライブ。ギスギスと泣きレズで客引きという手法は
完全に劣化ラブライブだが、ラブライブの看板無しでやると、
免疫の無い大衆に受けるのだろうか。
規範破壊系のコンテンツとして夜クラゲと競合しているが、
こちらの方が出来は良い。



アイドルマスター シャイニーカラーズ

歴代のポリゴンピクチュアズ作品の延長線上にある
独特の雰囲気を持った怪作。
「暗黒太極拳」「全部正面」といった形容が似合う。

内容は、中身スカスカの商品。一見さんへの説明を欠いた完全な閉じコン。
女性客への忖度が原因か、全キャラの胸のサイズが一律に縮小している。
個人的には、智代子の声色が原作と若干変わったように感じた。
あと、ゆるゆりで有名な三澤康広氏による
「みかしーオワタ」みたいなBGMが話題になっていた。



土曜深夜



『夜のクラゲは泳げない』

渋谷が舞台の意識高い系。安直な規範破壊系コンテンツだが
同タイプのガールズバンドクライに内容と話題性で負けた。
動画工房の手描き作画も、東映のCGに及ばなかった印象。



日曜深夜



『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』

X(ツイッター)上での事前宣伝が異様に多かった作品。
アルスラーンに影響を受けたと思われる。
合戦の描写が結構稚拙に見える。
かわかわショタには人物鑑定以外の能力は無いので、
全て部下頼みという切り口は新鮮。
原作と見比べると、アニメスタッフが肉付けした部分が全て滑っている。
スタッフが余計なアニオリを増やして展開を遅らせている。



無職転生Ⅱ ~異世界言ったら本気出す~ 第2クール』

本クールは、シルフィと結婚したルーデウスが家を買う所から始まる。
原作の細かいエピソードは削られ、かなりのスピードで展開した結果、
本クール終盤でパウロ死去とロキシー性交まで辿り着いた。
目的は予約開始直前のロキシーフィギュアを売り抜けることにあると思われる。
そもそもあの世界にも原作にもウェディング水着など存在しない。
よってここで本編完結と言っても良い。残りは完全に蛇足。



『じいさんばあさん若返る』

三上枝織さんが孫娘役で出演されているので
頑張って途中まで見たが半分未見で力尽きた。