(2023 0706)



*[アニメ]前期アニメ『転生貴族の異世界冒険録』他



①『転生貴族の異世界冒険録』

欽ちゃん走りが話題になった良作。

序盤は、他のなろう作品の要素の寄せ集めに見える。
が、主人公の両親が先に同じ異世界に転生して殺されていた、
という、目新しくも残酷な設定が出て来る。
その後は、アニメの先の話まで出来が良い。

人物描写が良く文章に無駄が無く、ペースも良いので引き込まれる。
主人公のカインが可愛く描かれ、無敵に近い強さを持っているのも良い。

正妻枠のテレスティアは物語上影が薄く、
シルク嬢の方が相方らしく描かれている。
本作も後から数人の嫁が追加されるが、
既出の範囲ではどのキャラも良く描かれている。
(帝国第六皇女、聖女、魔族の皇女、獣人)

また、良作の特徴として、大人の男性キャラをきちんと描けている。
個人的に印象深いのは、原作の先の部分でエリック公爵がカインに謝罪する場面。






②『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』

デブサイクな主人公・天上優夜がイケメン化して無双する話、と言いたいが、
終盤敵がインフレして主人公が弱体化するのでタイトル詐欺と言える。

キャラデザが女性向の絵柄なので訴求力が低いが、ヒロイン達の性格は良い。
現実と異世界での完全な二重生活が同時進行して、
2つの世界にそれぞれ、メインヒロインとサブヒロイン群がいる作品は、珍しいと思う。

特に異世界パートは、王女レクシアの性格の良さで全ての問題を解決していて、
やや強引な感もあるが面白い。
現実パートは佳織とファッションモデルの美羽が、後々しのぎを削りそうな雰囲気もある。

但し、メインヒロインの佳織には、不細工だった頃の優夜の勇気に惹かれた、
という事実があるので、他のヒロインとの差別化が出来ている。






③『異世界はスマートフォンとともに。2』

スタッフ総入れ替えの2期だが、
原作が潤沢なので内容は安定している。作画も良い。

展開は早く、嫁会議の残り3キャラが全員登場、
桜以外の個別ストーリーは消化された。
ルーシアとヒルデガルドは、どちらも魅力的に描かれている。

また、作中最も女尊男卑で不快なキャラ
「パム」の話を完全削除する英断を下している。

それでもフレームギアによる戦闘や戦争までは届かなかった。
ユーロンが滅亡してからが本作の本番なのだが……






④『異世界召喚は二度目です』

主人公の勇者セツが。同じ異世界に2度飛ばされて大体無双する話。

この作品は、なろう系の中では、
ヒロインキャラが魅力的に描かれている方だと思う。

ドM騎士エルカ、ありがちな無口系魔法使いティア、
健気な商人の少女ルリ、古女房感のある海神リヴァイア、
女体の質感が素晴らしい魔王デザストル、
空から降って来る獣人の王女ロア……

女体の質感も、性格や中身も良い。


特筆すべきは最終回。
原作は冬真を倒した後セツが創造神に負けて、
その後おばさんキャラのマウントが続く、不快感の塊になる。

が、アニメでは、原作のダメな部分が全てカットされて、
夕陽と旅立つ所で終わっている。
創造神と破壊神は存在が抹消され、国王と王女も生き残った。
1クールで全て完結しているので、
若干物足りない所はあるが、必要な物事は描き切っている。

アニメだけ見れば良作。