『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(有本香 著)


「ここまで酷いとは思わなかった」

TVメディアの印象操作で隠蔽された、小池都政の実像を浮き彫りにしている。
メディアリテラシーの点からも注目すべき一冊である。

本筋以外の注目点を。

?脇の甘い「自民党オヤジ議員達」への批判
昨年の石原元知事の「厚化粧」が大失言となり、今や自民党を崖っぷちまで追い詰めている。
フラッシュモブマーケティング等、「若い手法」を駆使した小池陣営に対し、
何の危機感も対策も無かった「自民党ロートルオヤジ層」への批判は、重要な指摘である。
いかなる立派な主張をしていても、「現在の一般人」の共感を得られなければ、その人は落選する。

?「築地市場の闇」の情報公開
本来、改革派を自称する小池陣営が行うべきだった、「築地市場の闇」の情報公開を、著者が行っている。
くわえタバコでの作業、新規参入を拒むムラ社会体質、「利権化した鑑札」を「廃業する業者」から買占める小池親派業者……
もはや小池自身が、築地の闇に関与する「悪」といっても過言では無いことに慄然とする。

他にも、著者に説教された旧友の高木都議が一念発起する所や、
同じ時期に父親を亡くした小川榮太郎氏と意気投合する、
といった人間ドラマも随所に入っている。


昔、小さな会議室で、小池議員の話を聞き、握手したこともある。
沖縄に日経新聞をを置いて貰った(小部数)ことを自慢げに話していたことを覚えている。


小池がここまで酷いとは思わなかった。