日本の誇りセミナー「武士道の言葉に学ぶ」

(2016年7月31日)

講師である多久善郎氏の著書『永遠の武士道』をテキストとした講演。
思ったより多くの人が集まっていました。



日本人の国民性である多神教文明的な価値観の一部が、武士道と呼ばれています。
本書では、座学としての武士道が定着した江戸時代から、
武士道が表面上滅亡する(戦後、人権の暴走が始まる)第二次大戦末期までの、
武士道関連の著作者や著作物が多数紹介されています。
これに、闘戦経と楠木正成を加えれば、日本の武士道の流れは、大体把握出来るでしょう。


あえて一つ武士道の特徴を挙げるとすれば、それは「敵への寛容さ」です。
一見欺瞞と取られ兼ねない話ですが、基本的に敵を根絶やしにする一神教圏と日本とは相容れません。
だからこそ本書では、薩長側だけで無く朝敵会津の徳目も、公平に紹介されているのでしょう。


こうした日本人の価値観は、21世紀に入ってから復活した
『海の武士道 戦場のラストサムライ』に至るまで、
脈々と受け継がれています。



2009年総選挙直前に行われたある集会で、櫻井よしこ氏が以下のようなことを言われました。

>誇り高く敗れた人が、誇り高く復活出来る。
>自民党には立派に敗北して欲しい。そうすれば必ず再生する。


これは「美しく敗れる」ということです。
物理的な勝敗のみに拘る人には理解出来ないことですが、
71年前に美しく敗れたからこそ、日本は滅びる事無く続いているのです。
(逆に、「醜く敗れる」ということは、例えばカルタゴクレオパトラのような例を指します)



が、現在では、僅かな金や権力の為に、容赦なく味方に殴りかかる「自称保守」が、後を絶ちません。

「勝つ為には何をやっても良い」
「勝者は何をやっても良い」
といった考え方は、武士道では無いし、保守でさえ無いのです。

「因果応報」というように、必ず後になって響いてきます。



時代劇が廃れた現在、私達が侍を見る機会は、ほぼありません。


アニメで言うと、
現在再放送中の『ルパン3世』の「石川五ェ門」や、
現在2クール目に入った『クロムクロ』の「青馬剣之介時貞」
などの姿に、私達は武士道の片鱗を見ることが出来ます。