「ゆるゆり♪♪11話」の誰得シリアスを招いた「琴浦さん」

琴浦さん」1話を見て確信しました。
ゆるゆり♪♪11話」での太田監督による脚本の違和感は、
アニメ化が決まっていた「琴浦さん」の内容に引っ張られて生じたものだろうと。
11話で孤独な世界に投げ出されたあかりは春香に、
ただ一人あかりを理解して応援するあかねは真鍋に、それぞれ似ています。

琴浦さん」自体は、それはそれで出来のいい作品ですが、
その文法を他の毛色の違う作品にそのまま持ち込んでしまったことが、
違和感に繋がったのでしょう。



その「琴浦さん」、既に巷では評判が良いようです。が、私にはどうしても、
「『いたいけな彼女』の劣化版」にしか見えません。

「ヒロインが人の心が読める」ことはともかく、それをすぐに口に出したら、他者に嫌われるのは当然。
ヒロインの自業自得の部分もあるので、あまり同情出来ませんでした。


無口系の女を能天気な男が励ます、という構図は、
最近の少女漫画などの「女性視点コンテンツ」にありがちな形式で、底が浅く健全とは言えない。

明るく気丈な女が影のある男を支える、という、
「いた彼」で示された普遍的な形式には到底及びません。

それでも、「いた彼」を知らない人には目新しく映るでしょうし、
マイルドな「いた彼」を求めている人には格好の品と言えます。